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相場を知らない恐怖

連休に入る直前にあるビジネスツアーで中国に行ってきました。
3泊4日で上海の工場と広州の見本市をまわるツアーです。日程的
にはかなりきついツアーでしたがいい経験をしてきました。

私にとって中国は生まれて初めて訪れる国、正直いってアジアは
あまり得意ではないので行く前は期待より不安の方がいっぱいで
した。

行ってみて感じたことは「40年前の日本と現代の日本が同居する
不思議な国」という感想です。特に都心とその周辺では状況が一
変。私たちが見学した工場などは劣悪そのものといった労働環境。
中国製品の価格の安さを象徴するような工場でした。

そんな中、着いた日の夕食時の出来事です。

上海のとある中華料理店、見るからに観光客用のレストランと
いうところです。

通常の中国旅行と比べてかなり割高な料金を支払ったビジネスツ
アーですから料理もホテルもそれなりを期待して行ったのですが
その店の料理は味も雰囲気もかなり期待を下回るもの。

「まぁ、仕方ないか...」と思ってるところへ片言の日本語をしゃ
べる女の子がテーブルにやってきました。

そしておもむろに中国茶を入れ始めたのです。レストランですか
らお茶が出てくるのは当たり前なのですが少し様子が違います。
しきりに片言の日本語でこの急須で入れたお茶は味が違う、体に
いいと説明しているのです。

「ははぁ、さてはこの急須を売るつもりなんだ」と思ってみてい
ると案の定、お茶を飲ませた後に急須を買えといってきました。

まぁ、海外旅行にはよくある話で私たちのテーブルの人達は適当
にあしらっていました。

だまって聞いているとこの急須は中国広しといえどもここでしか
買えない特別な商品で価格は1万5,000円だといいます。

大学を卒業して日本語がしゃべれる人でも月給2,500元(約4万円)
普通の人なら15,000円くらいで1ヶ月生活できるという国でおみや
げの急須が1万5,000円とは...。

どうせ誰も買わないだろうなと思って見ていると、あるテーブル
の人が1万5,000円は高すぎる、1万円だったら買ってもいいよと
言いはじめました。

ついさっきまでこれはとても貴重な急須で中国広しといえどもこ
こでしか買えない、価格も特別に1万5,000円でいいと言っていた
女の子が「じゃあ、ちょっと待って」と言って人相の悪い男のも
とに駆け寄って行きました。

ひと言ふた言会話をすると突然「今回だけ特別に1万円でお売り
します」と言い始めたのです。

それを見ていた私は、冗談半分で1万円と言っちゃった人は後悔
してるだろうな、今さら引っ込みつかないから買うんだろうな
と思って見ていたのですが、購入した人はその人だけではなかっ
たのです。

38人のツアーでなんと10人近くの人が買っているのです。
もうビックリ。

何なんでしょう。単なる話の種に購入したのでしょうか?
シャレで1万円使ったのでしょうか?
1万5,000円が1万円になって安くなったと感じたのでしょうか?
未だに理解に苦しみます。

今回は旅行中の出来事ですし、金額も少ない(?)ですからいい
のかもしれませんが、購買頻度の少ない商品、つまり物の相場が
分かりずらい商品の場合は注意が必要です。

不動産はその典型のような商品です。

場所がひと駅違うだけでも価格は大きく異なることがありますし
いくら値下げ額が大きくても最初の価格設定が高すぎただけの物
件もあります。単純には判断がつきません。

後で「しまった...」を無くすためにも相場は十分把握してから購
入することが必要です。

くれぐれも巧みな話術にはご注意ください。